輸出入の法令遵守

貿易コンプライアンスの重要性

製品を海外に輸出する、海外から購入品を輸入する場合には貿易コンプライアンスを遵守する必要があります。輸出入を信頼のおける業者に依頼するのであれば問題無いですが、送るものによっては専門知識が必要ですし、自社、個人で送る場合は尚更注意が必要です。

具体的には送付する物品について、『正しい』品名、数量、金額と原産国にてインボイス(送り状)が発行されることで、正しい輸出入申告がなされることが基本となります。

日本からの貨物の輸出にあたっては、主に以下の法令に則った手続きが必要です。

 ① 外国為替及び外国貿易法(外為法)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000228

 ② 関税法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=329AC0000000061_20230401_505AC0000000006&keyword=%E9%96%A2%E7%A8%8E%E6%B3%95

また、品目によって許認可の取得が必要な場合があります。(例えば危険物、化学品)

外為法および関税法違反は、刑事罰、行政制裁(輸出禁止)等の厳しい処分が科せられます。

また、相手国の貿易コンプライアンス違反も同様に当該国の法律によって処罰されます。

輸出の際の最重要事項

税関が定める「輸出許可」の定義は、、、

 ① 輸出申告が適法にされていること

 ② 審査・検査の結果、輸出貨物と申告書上の貨物との同一性が確認されていること。 

 ③ 輸出してはならない貨物に該当する貨物でないこと。

 ④ 他法令(関税法第70条)の条件を充足していること。

ですので、輸出者の最重要事項は、、、

 ① 『正しい』品名、数量、重量、金額、原産地について、輸出手配関係者間で、連絡、指示、情報共有すること。

 ② 貨物現物と通関関連書類が一致すること。

 ③ 該否判定を必ず実施すること。

になります。

輸出側で問題が起きると輸入側(相手側)にも問題が発生

海外間の物品の送付は双方で輸出入申告を行います。ですので、輸出時に貿易コンプライアンスの問題が発生すると輸入者側にも同様の問題を発生させてしまいます。(輸入者側に通関事故を発生させない配慮が必要)

「無償」(サンプル)の送付

例えば、海外へ自社のサンプルを持参して出張する、あるいは海外出張に行って相手企業からサンプルを受領して帰国するようなことがあります。

輸出入申告は「無償」であっても必要です。

無申告で輸出入を行うことは「密輸」です。

「無償」の通関申告時の注意点として、「無償」だからといってインボイス価格は0(ゼロ)ではありません。税関は「物の価値」に対して関税を賦課しますので、当該品の価値に相当する価格を記載し、輸出入申告を行う必要があります。

ですので、無償貨物の単価設定は当該品の購入価格、市場価格などを参考に適切な申告価格となるように記載します。

インボイス価格以外も品名、単価、数量、原産国など正しい申告を行うことは「無償」の場合も「有償」と同様に必要です。

サンプルを1個、2個であればハンドキャリー(スーツケースに入れるなど)する場合もあるかと思いますが、事前にインボイスとパッキングリストを用意しておいた方がいいでしょう。

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