金型を含む取引のトラブル

契約条件を明確に!

金型を必要とする部品の売買取引において、発注者と受注者の間で起こりうるトラブルは以下のようなものがあります。

  1. 金型の品質問題:
  2. 金型の納期遅延:
  3. 金型の設計不良:
  4. 金型の契約条件の不明確性:
  5. 金型の修理やメンテナンスの問題:
  6. 金型の所有権の問題:

これらの問題を避けるために、発注者と受注者は契約条件を明確にし、品質管理について合意し、金型の製造や修理に関する責任や費用の分担について合意する必要があります。

今回は金型の所有権について本ブログで取り上げます。

金型を必要とする部品を発注する場合、受注者は「部品単価:〇〇円 別途金型費:〇〇百万円」というような見積書を作成されると思います。

この金型費はどこまで含めているのか、ということは極めて重要です。

発注者は金型費を払ったんだから金型はウチのもの、と思っている場合がほとんどです。

ですので、当初の部品メーカーよりも安い部品メーカーが出てきた場合、今までの金型を移管して転注を検討することがあります。

ところが、金型には部品製作のためのノウハウが詰まっていて、受注者は金型を引き渡すことを拒否する場合があります。

また、量産がスタートして加工数が増えてくると、摩耗等により徐々に金型が劣化してきて、メンテナンスが必要になった際、そのメンテナンス費用はどちらが持つのか?という問題が出てきます。

受注者は最初の見積もりで、金型費を記載する際に発注者の要求に応じて金型を引き渡すのか、渡せないのか、金型の凡その命数(ショット数など)を明記し、メンテナンス費用は発注者持ちとするか受注者持ちとするか、などを明記する必要があります。

*後から金型図面を発注者から要求される場合もあるので、金型費に図面を含むか含まないかの記載もあったほうがいいです。

量産から時間が経つとスロームーブになり、いずれ注文が全く来なくなります。その場合の金型の処分や保管料なども見積書に記載したほうがいいでしょう。

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