見積書の重要性

見積書は契約書ではありませんが、以下の理由から売買契約において極めて重要な書類と言えます。

取引の記録のため

売買契約は口頭でも成立します。
また、見積書作成は法律で義務付けられているわけではありません。
しかし、取引の証拠として記録を残す役割を果たします。
口約束だけで取引を進めると、受注側と発注側の認識のズレからトラブルが生じることがあります。
見積書を作成して記録として残すことで、未然に問題を防げます。

不明瞭な金額や納品内容を明確にするため

見積書には商品やサービスの価格だけでなく、送料や手数料、納品内容の詳細(数量・金額・納品日など)も記載されます。
正式な契約前にこれらの詳細を明確にすることで、取引をスムーズに進められます。

取引の流れを作るため

発注側にとって見積書は取引開始の判断材料となります。具体的な流れは次の通りです。
①受注側が見積書を発行
②発注側が見積書の内容に同意し、正式に発注するために発注書を発行
③受注側が発注を正式に受けるために発注請書を発行して契約が成立(発注請書は受注者が必要であれば)

見積書は取引を成立させるための第一歩

取引相手に適切な条件を提示するために、正確で明確な見積書を作成することは、成約の可能性を高める重要なステップです。
以上の理由から、ビジネスにおいて見積書は欠かせない文書と言えます。

最終見積書は価格合意の証

発注者に公正取引委員会の調査があった際、納品された商品の価格が何に基づいて発注されたのか確認します。
その際に見積書があって、その見積書内容通りに発注されていれば問題無いですが、見積書の内容と検収内容と違っていれば「下請代金の減額」を疑われることになりかねます。